22.1.17

良心的な業者 〜 オイル仕上げ失敗談

スクロールソーのブレードはアメリカの Lesley's Patterns, Ltd から買うことにしている。
ブレードの品質が良いのは言うまでもないが、価格も、送料も非常に良心的で、品揃えも申し分無い。

先々週末、同居人が使ったメタル用ブレードが最後の1本だったため、私の木工用のブレードと共にまとめて注文を入れておいたのだが、注文を入れた翌日には発送済みの連絡が来た。… しかし、まだ届いていない。何処で(どちらの国で)時間がかかっているのだろう?

もう何年も取引をしていないが、ステンドグラスの仕事をしていた頃にお世話になったアメリカの業者も、これ以上無いと思えるほど良心的で、膨大な量の注文をほぼ間違いなく即座に送ってくれ、しかも、何キロにもなった荷物は、 重量に関係無く一箱当たりの送料が固定されている箱に詰めるだけ詰めてくれたので、信じられないほど安い送料で送ってもらうことができたのだ。購買者の負担を極力減らすよういつも考えてくれていたその業者は、『送料を上乗せして、更に儲けよう』と企むようなずる賢い商売はしていなかったということだ。おそらく彼女の生き方そのものが真っ当だったのだろうと容易に想像できる気がした。

そのような業者との取引があったので、小さなチップ カービング ナイフ3本で US$48.50 (最も安いオプションで)も送料がかかるなんてあり得ないじゃないかと、私はやはり思ってしまい、いまだに欲しいカービング ナイフを手に入れられないでいる。


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先週は、鍋敷き作りの合間に、研ぎが必要な鑿を収納しておく箱(5箱目)を作ったりしていた。
これまでは、研いだ後使っていない鑿と、数回使用した鑿を同じ箱に収納していたので、研ぎ直す際に「あれ?これは使ってあるものかな??」と、一々切れ味を試して選別していたのだが、これまでのように、ダイヤモンド砥石でチャチャッと削って良しとするのならいざ知らず、貴重な父の天然砥石を使い、時間をかけて丁寧に一本一本研ぐことを考えると、研ぎ直しが必要でないものまで研ぐなどということは、時間の浪費以上に、"砥石の浪費" "刃物の浪費" につながり、この先も効率の良くないことをし続けるのは全くもって愚かだよなと、"重い腰を上げて"簡単な dovetail box を作るに至ったというわけだ。

板厚が 19mm のマツ材があったので、これでいいか…と、板厚を半分にして使うことにした。

板厚を簡単に綺麗にカットできるだろうと思って買ったバンドソーは、期待を大きく裏切り、これ以上無いと思えるほどお粗末な仕上がりになってしまうため、また鋸を使う方法に戻ってしまった私…


いつもは幅広の両刃鋸を使うのだが、今回は日本の折りたたみ式の幅の狭い鋸で切ってみた。
刃が鋭く、歯振(あさり)幅が大きいため、ザクザクと切れるが、切り口は綺麗ではない。しかし、バンドソーでカットするよりも遥かにマシだ。
鋸を使うと切り終わるのに要する時間は当然長くなるが、切った後鉋をかけ、表面を平らにするのに要する時間は(切り口がひどくうねってしまって、厚みがバラバラになってしまうバンドソーで切った場合よりも)かなり短くなるので、総じて時間的な開きはさほど大きくはないだろう。


グルーが乾くのを待つ間、或はペイントを乾かしている間に他のものを作り始め、ずっと何かしら作業をし続けているのだが、作業の合間に、乾かしていた鍋敷きの一つに少しオイルの滲み出しがあるのを見つけ、気落ちした。


Macrocarpaもやはり Tung Oil の海に浸けてはいけないことがよくわかった。

オイルにポチャンと浸け、即座に取り出し、エアー ブロー ガンで余分なオイルを吹き飛ばしなどしても、オイルの染み込み方は筆で塗ったものとは明らかに違い、まだらにオイルが染み込んでしまっている。

スクロールソーを買ったばかりの頃観ていたビデオでは、大きなトレイの中に作品が充分浸かるほどのオイルを満たし、そこに透かし彫りした作品をポチャンと浸け、引き上げて簡単にオイルを切り、自然乾燥させていただけだったが、このようにまだらにオイルが染み込んでいたのかどうか定かではない。
また、YouTube で観た手の込んだカッティング ボードを作っている人も、オイルの海に浸けて、取り出した後は立て掛けて自然乾燥しているのだが、私のようなトラブルは起こらないのだろうか?

使っているオイルの問題なのか、板の種類に依るものなのか… 

これまでに、Pine、Ancient Kauri、Pacific Kauri、Rimu、そしてMacrocarpa の板で試してみているが、どれも綺麗な仕上がりにはなっていない。
せっかく時間をかけて作った物が、最後の段階で台無しになってしまうのはもう懲り懲りなので、これからは面倒でも筆で塗る方法を取るしか無い。

何か良い方法はないものかと、いつもそんなことばかり考えて暮らしていたら、亡き父のようにボケないまま最期を迎えられるかも知れないが、難儀なことである。  



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