30.12.21

Passiflora Antioquiensis / Red Banana Passionfruit / Vanilla Bean Passionfruit

2020 年 8月初旬、金木犀と一緒に配達されるはずだったパッションフルーツの木は、品切れだったことから、業者が極小さな別の苗 Passiflora Opersent というのをおまけで付けてくれた。
ガラスを扱う仕事をしていたので、オパールセント (opalescent) というのはなじみ深い単語だが、それとは違う綴りで、ネットで調べてもそのような名前の植物は見当たらない。

一体どんな花が咲くのだろうと、興味津々で育ててきたのだが...



今年になって、ようやくそれが花芽をつけたので、PlantNet で写真を検索してみると、Passiflora antioquiensis である確率が最も高いと出てきた。私が注文した正にその種類なのである。


花はピンク〜赤で、実は 500 種類にも及ぶパッションフルーツの中でも最も美味しいとされている果実の内の一つだとのことで、開花するのを今か今かと待ちわびること約 10日...


外側だけが開いた状態で丸一日過ぎ、翌日の朝起きると、見事に開花していた。



花柱(?)が非常に長いため、あまり時計草のようではなく、横から見ると南国の花という感じだが、下から見れば時計草の一種であるように思える。




さて、花が咲いてしまうと、次には無事実を付けるだろうかと考えるようになるのは世の常...

美味しい実が出来ますように...




27.12.21

オークランドの異常な住宅事情

来年 2 月から、この借家の家賃が信じられないほど値上げされることになった。
2 人がフルタイムで働いてようやく払えるような金額になってしまう。

そこで、安い借家に引っ越すしかないかと、賃貸物件を探し始めたのだが、私たちが支払い可能な家賃でマーケットに出ているのは、俗に治安がよろしくないと言われている地域しかなく、今住んでいる場所のように治安の良いとされる地域では、なんと週 NZ$1,000 以上(今日の為替で約 ¥78,000)という、とんでもない賃貸料となってしまっていることに唖然とした。


オンラインでサーチし、いくつか観た物件の内、目ぼしいものをいくつかピックアップし、その地域の犯罪の有無を調べると、一つは近隣の商店街で(白昼堂々)万引きが頻繁に報告されており、また他の物件は、今年 10月、 20代〜30代の男性が殺害され放置されていた現場の正にその通りにあり、犯人は周辺の地域に住む 17歳の少年とその連れと判明したようだ。
その通りから数本離れた通りには、今でもギャング数名が住んでいることが知られている。

そんな物騒な地域で売りに出されていた物件があったことを、借家を探している時偶然見つけた。


この、2 ベッドルーム、1 バスルーム、2 カー ガレージの、掘立小屋のような物件は、昨年 10月に売れていて、販売金額は NZ$1,560,000...  日本円にして 1 億 2,000 万円強という、信じられないほどの高額で取引されていいたのだ。

1 億 2,000 万円(ローンを組むとほぼ倍になる)も出して、こんな治安の悪い地域に家を買おうと思う人がいるんだと、唖然としたが、これが今のニュージーランド、特にオークランドの現状なのである。


借家探しを何日か続けていたら、高くてもここに住むしかないのか... そうだとしたら、収入を増やす方法を考えるしかないなと、そう考えるようになってきた。
日本にいる高齢の母がいつ体調を崩すかわからないような状況では、引っ越しして治安の悪い地域に移ってから、長期に家を空けるのはかなり不安であることは間違いなく、精神的に非常によろしくないのは、考えるまでもなく明白だ。


はてさて、何か、他に良い方法があるのだろうか...


ちなみに、治安が悪いと言われている地域では、コロナの感染率も際立って高い。


13.12.21

COVID-19: 一日に10 回ワクチン接種した男

(この画像は、NZ Herald の記事をキャプチャーしたものです)

 

ワクチン非接種によって被る不利益(職を失う、レストラン/バー/美容院/理髪店、リテイル ショップス等に入店できない等々)に我慢できないワクチン摂取反対者の中には、汚い手を使ってでも偽のワクチンパスを手に入れようと目論む人々がいる。そして、それにビジネスチャンスを得た人は、上記のように、依頼者の氏名とワクチン接種に必要な情報を与えられて、それぞれ違う接種会場に赴き、替え玉として何食わぬ顔をして接種を済ませ、金を稼ぐという行動に出るというわけだ。
それにしても、一日に 10名の名を語り、ワクチン摂取のはしごをした人がいるというのは驚きだ。

規定量以上のワクチンを体内に入れて大丈夫なのだろうかと、多くの人はおそらく恐怖を感じるだろうが、ワクチン接種を依頼した側にとっては、替え玉の体調など自分には関係のないことで、ワクチンを打った事によるリスクと引き換えに報酬を支払ってあるのだと、自分の過ちを考えることすらしないに違いない。

もし、ワクチンを接種した直後にショック症状を起こし、緊急入院などという事態になったら、意識を失った替え玉役は、自分の本名ではなく依頼した人の名前で治療を受けることになり、依頼者の NHI (National Health Index) ナンバーから、病歴、服用中の薬、アレルギーの有無等々調べられ、全てが自分のものではないもので判断され、治療が速やかに開始されることを、おそらく考えてはいないだろう。そして、家族の連絡先が判明すれば、ワクチンを打ったのが本人ではないと、そこで初めて明らかになるのだ。

また、もし替え玉接種後数時間、或いは数日経って体に異変が現れた場合はどうするのだろうか?
自分の名前では打った記録のないワクチンの後遺症だと言って、本名で病院に駆け込むのだろうか?

何れにしても、不正が明らかになるのは時間の問題だ。

では、ショック症状も副作用も何も無く終わった場合は、わからないままなのか...

何をきっかけにこの事件が発覚したのか、何故だか、いまだ報道されてはいない。


数日前には、事もあろうに、医者による不正証明書(体質的にワクチンを接種できない状態にあるという証明)が発行されていたとの報道もあり、ワクチン非接種者が絡んで引き起こすとんでもない行動が、政府及び保健省のみならず、正直にワクチンを接種した多くの国民の怒りを増大させているのは明らかだ。


(この画像は、NZ Herald の記事をキャプチャーしたものです)


この世は、正常な判断のできない輩の取る無分別な行動によって、社会の秩序が撹乱され、生活が脅かされる。いつでもそうだ。

そうして、分別をもって行動した一般市民が驚異に怯える毎日を送らざるを得なくなってしまうというのは、嘆かわしい限りである。


ワクチン接種に関しては、初期の段階から本人確認を顔写真入りの ID で行うべきであったが、何故だか政府はそれをしなかった。
口頭で氏名、生年月日、住所を聞かれるだけで、厳格な本人確認を怠ったがために、このような "替え玉事件" が起こってしまったと言えるだろう。

この件に関しては、政府が招いた不祥事だと糾弾されても致し方ないのではないかと、私の知り合いも嘆いていた。

全ての人間が正しい行いをするわけではないことは、最初からわかり切っていたことで、ワクチン パスの出現によって、更に切迫した状態に陥ることになる人々がどのような行動に出るのか、最悪の事態を想定して計画を立て、当初の計画に不備が見つかれば、臨機応変に変更を加えるべきであったのだ。



29.11.21

帽子 & 帽子置き場

立て続けに帽子を 3 つ作り、帽子置き場に困った。

アトリエに降りて行き、オフカットの板と "箒の柄" として売られていた丸棒とを使い、取り敢えずの帽子置き場を作ったら、思った以上に片付いた感があって、更に進化した形の帽子置き場を考えるまでもないか... と、この『なんちゃって工作(木工の『も』の字も知らないような人が作ったようなシロモノ)』の置き場のままで良しとすることにした。


最初に作ったカーキ色の帽子は、家にあった張りのある生地を使ったが、
次に作ったのは、H が昔履いていたスウェット パンツを解体した生地の再利用で、


3つ目のつば広のものは、サイズが合わなくて履けなくなった私のズボンからできている。



一番気に入っているのは、スェット地のつばが最も狭いもので、柔らかく、非常に着け心地が良い。
しかも、くしゃくしゃに畳んで持ち歩いても、シワが気にならないのは嬉しい限りだ。



帽子を作った残りの生地で、その内小物入れでも作るとするか...



廃物利用であれば、万一失敗しても口惜しくないなと、そう思いながら作っていたが、出来上がりはごく普通の帽子。

着飾るための帽子ではなく、あくまでも白髪隠し...
この程度で充分だ。



13.11.21

白髪隠し帽子

最後に帽子を被ったのは一体いつだったのだろう?
全く思い出せないほど、 私は帽子を被るという習慣が無い。

そんな私だが、白髪が伸び始めて来た都度染めるのが面倒で、取り敢えず伸びた部分だけ隠せればいいかなと、似合う似合わないはお構いなしに、家にある布で帽子作りを始めた。

パターンはネットで検索し、作り方を解説しているものがあったので、自分の頭の大きさに合わせて製図し、まず、サイズやら形を確認するために紙袋(スーパーマーケットの宅配時に使用されたもの)を使ってモックアップを作った。(モックアップ作りはかなりイイカゲン)



ブリムの幅を変えたり、クラウンやらブリムの曲線を変えたり、はたまたトップの形を変えたり、被っては直し、被っては直しの毎日...
モックアップ作りで何日も過ぎてしまったのは、途中で面倒臭くなってしまったせいだ。
歳をとって持続力が極端に無くなった。






出来上がったものを被って写真を撮り、H に送ると、「しっかり帽子だ〜」という返事が来た。
えっ... どんなのができると思っていたんだ... 


思ったほど似合わなくもなかったので、今度は色やブリムの幅を変えて、いくつか作ってみようかなという気になった。


11.11.21

COVID-19: ワクチン接種率

 感染拡大が収まらない状況で唯一の頼みは、やはりワクチン接種率を上げることに尽きるのだろうと、おおかたの人は考える。

NZ 政府は接種率 90% を目指して躍起になっていて、それに伴い、様々な規制も現れ始めた。

ワクチン接種が必須となった職業に就く人々の中には、ワクチン非接種を貫き通したことに対する制裁 (=解雇)に直面している人がいる。(身体的な理由で接種できない場合を除いて)
その政府の強硬な姿勢に、困惑を通り越して怒りを爆発させる気持ちは想像できるが、だからと言って、ワクチン接種に反対するデモにこぞって参加し、集団での行動が禁止されている状況下において、大挙し、大声を出してデモ行進をし、それが感染を更に拡大する要因ともなっていることに、何の躊躇も無いというのは、いかがなものであろうか。
鯔のつまり(とどのつまり)、そのような人たちは "自分の自由" を声高に主張するだけで、周囲の人のことなど微塵も考えてはいないのは明らかではないか。

現在までに、世界中で 2 億 5000 万人以上が感染し、500万人以上が命を落とし、感染後の後遺症で正常な生活ができなくなっている人の数は数え切れないほどだというのに、この非常に特殊な状況を、特殊だとは考えていない輩が、厳しい対策は必要ないと訴える。
全くもって、愚の骨頂である。

人それぞれものの考え方が違うというのは当然のことだが、感染を拡大させる危険が無い訴え方を模索した上で為されているとは思えない、言わば短絡的な行動を、事もあろうに宗教指導者やら教職者までもが率先して行っているという報道を見て、唖然としたのは、私だけではあるまい。


頼みの綱のワクチン接種...
最近私は、NZ Herald で接種率を確認することが日課になってしまっている。


ここオークランドは、ワイテマタ、オークランド(中心部)、カウンティーズ マヌカウの  3 つの地域に分けて統計が取られていて、オークランド中心部の接種率は断トツに高く、1 回目接種済 95%、2 回目接種済 88% となっている。



こんな事がなければ気にも留めなかった、それぞれのDHBの境界線は以下のようになっている。

ワイテマタ地区

オークランド(中心地)地区

カウンティーズ マヌカウ地区


年齢別では、さすがに高齢になるにつれて接種率は高くなっていて、


人種別ではアジア人 が群を抜いて高い。(1 回接種した人が 100% を超えているのが解せないが...)



この先、NZも日本のように感染者が激減するという経路をたどることになるのだろうか?

新規感染者数が減らないまま、ワクチン接種状況を鑑みて規制を緩め始めた政府の方針が、大きく外れることのないよう、願って止まない。




7.11.21

パパイヤ? 薔薇???

 パパイヤを食べた後種を植えておいたら新芽が出てきて喜んだのだが、ネットで調べてみると、何だか葉の形が違う...




ブルームーン(薔薇)の挿木をしておいたら、芽が出てきていてたいそう喜んでいたのだが...




葉っぱがどう見ても薔薇ではない...



これは一体何なんだ? 
ブルームーン以外に枝を刺した覚えはないぞ...

...と、何になるのかわからないまま、観察日記ならぬ観察写真を撮り続けているが、雑草だったらガッカリだ。


世界三大美果の一つと言われているらしいお高いチェリモヤは、食べた後もちろん種を撒いておいた。(種を撒く目的でそのフルーツを買ったと言っても過言では無い)

順調に育っているようだが、出てきたのはチェリモヤだよな... 種ついてるし... 



これは間違い無いだろうが、実がつくまでに4〜5 年とか書かれていたので、生きている内に食べられるかもなと、更に年老いた自分の姿を咄嗟に想像して苦笑い...


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昨日、18 年振りに故郷の友人と FaceTime でビデオチャットした。
彼女とは年に数回 email で近況報告をし合っているが、顔を見て話すことをこれまで考えてもみなかったのだ。

スクリーンの向こうにいる友の髪は綺麗なシルバーグレイになっていて、最近更に白髪染めが面倒になってきている私にとっては羨ましい限り。けれども、そこまでになるのに 3 年かかったという彼女の言葉を聞いて、咄嗟にめげた。

お互いの子供達の話も交えながら、彼女の隣で遊んでいるお孫さんとも時々話をし、途中(一瞬)ご主人とも挨拶を交わし、何時間話していただろうか...  気付くともう夕食を準備する時間になっていた。

18 年...  チャットして改めて、長い年月が過ぎ去ったことを実感した次第である。


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NZ のコロナの感染者数はいまだに増え続けていて、昨日はこのパンデミックが NZ で報告されて以来最高の、新規感染者数 206人を記録した。
危機意識の薄い 5,000人を超える反ロックダウン信奉者がオークランド ドメインで集会を開き、そこからニューマーケットに向かってデモ行進をしてからちょうど 1週間目の "感染爆発" だ。
クリスマスのサンタパレード並みの賑わいである。

反ロックダウン派でも、反ワクチン接種派でもない私は、いい加減にしてくれないかと、そのようなデモに参加する人々に、心底うんざりしている。

ロックダウンを早く終わらせたいなら、大挙して出歩くな!

大多数の国民はそのような集会&デモ行進に冷ややかな視線を浴びせているのは言うまでもない。




22.10.21

COVID-19: 129名 過去最高の新規感染者数

思考能力の欠如した一部の若者達は禁止されている屋内でのパーティーを開き、1 軒に50人もの大馬鹿者が集まり、騒音の苦情が何件も警察に寄せられるほどのどんちゃん騒ぎをしたり、"宗教指導者" が煽動して反ワクチン 接種、反ロックダウンを掲げて 2,000人にも及ぶ賛同者と共に公共の場で集会を開いたりと、愚かにも程がある行動を取ったことなどが大々的に報じられていたが、それら以外にも数多いる "規則違反に後ろめたさを感じない大戯け者 (おおたわけもの)" 達のせいで、感染は拡大の一途を辿っている。

首相は規制に従わない者達が感染を深刻なものとしていると、先日の会見で憤りを露わにしていたが、政府が "Super Saturday" と銘打ち行った、ワクチン接種を促進するお祭り騒ぎに参加して感染した人はいなかったのだろうか?
無料のアイス クリームやらソーセージ シズルやら、はたまたコーヒーやらクッキーやら(etc...)がワクチン接種会場で振る舞われ、ミュージック バンドや有名人が参加し、野外コンサート並に盛り上がっていた会場もあったようで、「おいおい、そんなことをしていて大丈夫なのか?」と、私は非常に不安に思ったのだが、その日からちょうど 1 週間になった日、過去最高となる感染者数を記録したのは、単なる偶然なのだろうか?


NZ とは反対に、劇的に感染者数が減った日本のことが、数日前こちらでもニュースになっていたが、なぜあんなにも感染者数が激減したのか、専門家でさえ首を傾げているという報道を観て、「本当に感染者が減っているのか?検査数はどうなんだ?」と、諸手を挙げて喜べず、疑わしい気持ちになっている人は多いだろう。実際、日本に住む姉も知人も、まだまだ不安だと、外出を極力控えている旨話していた。

ワクチン接種率が高くなれば、それに伴って、感染していても気付かない、或いは軽症のまま回復してしまって、病院を受診することなく終わってしまう人が多く出ることは当然考えられ、日本がそのような段階に入ったのかも知れないと、考えられなくもない。NZ も近い内にそのような状況になる可能性は大いにあるだろう。
ワクチン接種の進んだ欧米或いはイスラエル等の現状を聞くと、感染者は再び増え続けているようで、決して楽観して良い状況ではないのだ。

 T も先週後半に 2 度目のワクチン接種を完了した。当初の予定は 1 回目を接種した 6 週間後だったが、感染者が増え続けている現状を危惧した政府が、1 回目の接種から 3 週間以上間を置いていれば、出来る限り早く 2 回目を打つようにというアナウンスをしたこともあり、1 回目から4 週間開けて接種することにしたというわけだ。

Alert Level 3 であれば(実際には Level 4 に該当するほどの感染拡大を抑えられない現状)、ほとんどの企業は在宅勤務の体制を取るのだが、T は仕事が入ったため、出勤せざるを得ない状況で、またランチ、コーヒー及び水持参で出勤していた。

お弁当作りは久しぶりで、日本のように手の込んだ、彩の良いお弁当ではないが、メインと副菜の他に隙間を埋める添え物が必要だなと、漬物/マリネ類を作ったりし、備蓄してあるひよこ豆を圧力鍋で茹でたりもして、朝なるべく時間のかからない献立を考える毎日...


オークランド シティーDHB  (District health board) のワクチン接種率は、1 回目を打ち終わった人 93%、2 回目を打ち終わっている人 81% と国内で最も高くなっているが、オークランドに含まれる他 2 DHB はまだ少々遅れているようで、全体の接種率が全て 90%以上となったら、今現在布かれている規制が緩和される事になっている。


その内、ワクチン パスポートなるものも用意されるようになり、コロナ ウィルスの撲滅を待つことなく、経済活動は再開され、諸外国との行き来もコロナ前に近い状態にまで戻ることになるのだろう。

聖書で言うところの、終わりの日...

これからの世界がどのようになって行くのか、私には予想もつかない。



15.10.21

2 回目のワクチン 接種


今月初め、作ってから長い間家に置いてあった紙ナプキン ホルダーとバード フィーダーを、H の家に届けに行った。(H から送られて来た写真には、以前作ってあげた組子柄のティーポット スタンドも一緒に写っていた)

加えて、パスタ マシンと、何年も前に、日本から遊びに来た長男が買ってくれたBBQ グリルも、我が家では滅多に使わないため、H たちにあげることにし、車に乗せて一緒に届けた。

H たちの家に行ったのはこれが 2 回目...

手伝いに行った引っ越し前日の掃除は夜中になり、真っ暗な中でその存在すら知らなかった裏口のフェンスから、今回は荷物を庭に運び込んだ。

家には入らずすぐに帰ってこようと思っていたのだが、偶然にも仕事を終えた  H のパートナー R がちょうど帰って来てしまい、コンタクトレス デリバリーにはならず...
仕方がないので、軽く挨拶をして帰って来た。

その日から 1 週間は、H たちのどちらかがコロナに感染していた場合のことを考え、どこにも出かけずにいたが、幸いにも体調に何ら変化はなく、ワクチン接種会場を歩いて15~20 分の場所に変更した上で、2 回目の接種に向かった。

今回の接種会場は街の薬局...

薬局で接種か... 接種後の 15分をどこで過ごすのだろう?と、想像もつかないまま向かったわけだが、店に着くと、通常配置されている陳列棚の間隔を狭めて無理やりスペースを作っているのがまず目に入った。
決して広い空間ではなく、充分な距離を保っているとはお世辞にも言えない状態だったが、予約人数を制限しているおかげか、人だかりができているというほどではなく、いいのかこれで?と思いつつも、観念してそこで受けることにした。

薬局の入り口にほど近い所に設置されたカウンターで受付を済ませ、そこで接種証明カードを受け取り、シールに私の名前を書いて渡してくれたので、それを服に貼り付け、店の中に並べられた椅子に腰掛けて順番を待っていた。
前回の接種時には、会場に入るとまず手を消毒するよう促され、自分の着けて行ったマスクを外し、用意されたサージカルマスクに付け替えるよう指示(=強制)されたが、今回の薬局では、消毒液も準備されていなければ、マスクも用意されてはおらず、自前のマスクのまま、他の人との距離を1 m もあけられない状態で、30 分以上過ごすこととなった。
また、そこで熱を測ることも無かった。

接種ブースは、普段一般の人が入ることのない調剤室の最も奥に設られ、接種担当者が案内してくれた。
当日の体調やら、前回の接種後の服反応やら何やらを聞かれ、腕の鈍痛意外に、発疹と、(ワクチンとの因果関係は不明だが)1 度だけ深夜に咳込んで吐血したことなどを話し、2 回目の接種をしても構わないだろうとの見解で、万が一そのような症状が再び現れた時には、直ぐに緊急連絡先に電話をかけるようにと強く念を押されて、接種は実行された。

今回は接種部位の鈍痛はあったが、前回よりも程度は軽く、接種翌日になって若干の目眩を感じたが、数時間で消えた。

あと 2 週間もすればしっかりと抗体ができることになっているが、この先出かける用事は特に無い。
ただ、この先、高齢の母に万が一のことがあった場合、ワクチンを接種していなければ飛行機に乗ることができない、或いはワクチン接種していない場合は搭乗前 72 時間以内の陰性証明書提示が常に求められるといった状況になるのはほぼ確実になって来ており、また、日本到着後の隔離期間にも影響が出てくるのは当然予想されるため、ワクチン接種を拒むという選択肢は私には無かったのである。

3 回目のブースター接種も必要となるかも知れないが、とりあえずは、2 回の接種を終えたことで、少しだけ心配の種が減ったことは事実である。


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この日々感染者が増え続けている中、H たちは申し込んでいたレスキュー ドッグ(保護犬)を引き取ることとなった。

Kelpie と Terrier のミックスではないかとみられているが、正確にはわからない。

H は早速、お気に入りのドッグ トイを買い与えたようで、写真を送って来てくれた。



そしてその 3 日後...


無残な姿になってしまったキリンの写真が送られて来た。
夢中になってキリンを噛んでいる犬の姿を思い浮かべて、私と T は思わず笑ってしまった。

コロナの感染状況が落ち着いて、この小さな、新しい家族と会えるようになる日が待ち遠しい。


30.9.21

NZ 最南端に位置する都市、インバーカーギルからの嬉しいメール


 オンライン オークション サイトに出品していたプラント サポート フープを買ってくれた人から、写真付きの email が届いた。

彼女はとても喜んでくれているようで、お金を支払って買ってくれたのに(更に、落札早々に支払いを済ませてくれていたのに、ロックダウンのために、1 週間以上も待ちぼうけをくらわされていた)、写真と共に ' Perfect. Thank you. ' と書き添えてくれてもあった。




自分の作った物を喜んで使ってくれる人がいるというのは、誠に嬉しいもので、家族から送られてきた写真に何気なく私が作ってあげた物が写っていたりすると、あー、ずっと使ってくれているんだと、心が暖かくなる。


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数日前、 T がシム レーシング用に新しく買ったペダルを据え付ける台を作るというので、私も一緒にアトリエに降りて行って、T が作業するのを隣で見ていた。
T は私に「作って」とは言わない。墨付けも、板をカットするのも、組み立てるのも、いつも全部 T 自身が行うのだ。

たとえ簡単な作りでも、完成させるまでには手間隙かかるのだということを、T はよく知っている。自分自身の手でその工程を行わなければ、おそらくどれだけ大変かわからないだろう。


お金を出せば何でも買えると人々は考えるだろうが、自分の必要とするサイズやら、必要とする機能やらにピッタリ合致した既製品を探すのは実は至難の技で、カスタムメイドは金銭面での負担が大きくなり過ぎる。しかも、オーダーを受けた側の技量によっては、全くもって不本意な物が納品されることも考えられるため、業者の選定には注意が必要なのだ。


キッチンに立つと毎日目に入ってくる大家さんの家の外壁を見る度、この国の "プロフェッショナル" と呼ばれる人々の技量がどの程度のものか、大きな疑問を抱かずにはいられない。



数ヶ月前、大家さんの家の外壁を塗りに来ていた業者は、私がこれまで目にしたペインターの中で最低ランクだった。
ペイントは 1 度のみ。しかも粘度が非常に薄いため、元の色がカバーされておらず、ムラだらけの、誠に汚い仕上がりとなってしまっている。

お粗末なのはペインティング作業のみならず、足場を組んだ業者によって私たちの庭は荒らされ、野菜を植えてあった木のプランターは破壊され、ペインター達が出した大量のゴミは散乱したまま、何一つ片付けないまま作業は終了。
おまけに、ペインター達は私たちが育てた薩摩オレンジを毎日のようにもいで食べ、その皮を庭に捨て、バレンシア オレンジは抱え切れないほどの量を、仕事に来る度にコソコソ盗んで持って帰っていた。(セキュリティ カメラで確認)
そんな、"他人の所有物と自分の所有物との区別のつかない輩" は、何をするかわからないため、私は庭に置いてあるガーデン ホースとホース リールをアトリエに仕舞い込んでおかなくてはならなかった。
全くもって気持ちの良いものではなく、非常識な業者ばかりなことに辟易した。


大家さんが何件も見積もりを取り、契約した業者がこんなお粗末な輩の集団だったことを考えると、私は『自分たちでやった方がマシ』だと、やはり思ってしまうのだ。



23.9.21

COVID-19: Alert Level 3 / クリック & コレクト

 オークランドは実質昨日からAlert Level 3 になり、生活必需品以外でもオンラインでオーダーし、受け取りに行くことができるようになった。(オンライン上で決済済)

客は車に乗ったまま、店の入り口脇で、スタッフに携帯電話で受信したバーコードをかざし、スタッフはそれをスキャンし、店内に用意してある商品を取りに行く...
商品はスタッフが車に運び入れてくれるため、客は車から降りることなく買い物終了。

私たちも車から降りないで買い物を終え、家に戻る途中、高級住宅街の片隅にあるものすごく小さな八百屋に寄り、半分ドアの締まった入り口に設置された受け取り窓で、欲しい物を伝え、店の外でエフトポスで支払いをし、野菜を受け取って家に帰った。
この八百屋は家からほど近いため、店を開けてくれているのは非常にありがたいが、クレジットカードは使えず、エフトポスでの支払いのみ受け付けるというのは、私にとっては少々不便だ。

そんな Level 3 の生活が、最低でもあと 2 週間続くわけだが、ファースト フード店のドライブ スルーが解禁となり、レストラン等ではデリバリーのみだが許可されたりと、自宅で料理することに飽き飽きしてしていた人々には、本当にありがたいアラート レベル緩和である。
(私も料理に飽き飽きしている内の一人ではあるが、まだ新規感染者数が毎日 20 名前後出ている状態では、まだフード デリバリーを頼む気にならない)

今日の新規感染者は 15 名。
このまま減少して行ってくれるのを願うばかりである。


20.9.21

COVID-19: ロックダウン 1 ヶ月 / FaceTime で面接

 Alert Level 4 の最も厳しいロックダウンが 5 週間に及んだオークランド...   今回のデルタ株の市中感染者は 1000人を優に超え、いまだに増え続けている。

病院、薬局、生活必需品を扱う店、ガソリンスタンド等を除いて、開いている店舗は無く、DIY  ショップも閉まったまま 1ヶ月強が過ぎたが、ようやく明日の夜 11:59 から(当面2週間)Alert Level 3 に規制が緩むことになるとの報道があった。とはいえ、新規感染者は毎日 20 名強出ており、引き続き警戒が必要なことに変わりはない。今後、急激に感染者が増加すれば、また直ぐに Level 4 に逆戻りになるだろう。


Level 4 の間、食料品、日用品はスーパーマーケットやら肉屋、魚屋にオンラインでオーダーを入れ、送料は余分にかかるものの、まぁ、通常の生活はできていた。

コロナのおかげで、スーパーマーケットで売られている肉/魚類とは比べ物にならないほど新鮮な食材が手に入れられる(しかもスーパーマーケットよりも安い)ことが判ったのは、予想外の大きな収穫だったが、其々のオーダーにかかる送料は決して安くはなく、痛い出費である。(「肉の質が全然違うよ」と H に知らせると、H も早速注文したようで、「肉が綺麗!」と非常に驚き、注文を入れた店が H の家に近いため、Alert Level 3 になったら店に買いに行くようにすれば送料がかからないと喜んでいた)

ワクチン接種に出掛ける以外、家の敷地から出ず、送られて来た荷物は、使い捨て手袋をした上で、一つ一つ消毒液のついた不織布やらアルコールを直接吹きかけて拭き、でき得る限りの対策を取ってはいるが、ことスーパーマーケットから届けられた何十個もの品々を拭きつつ、間違いがないか確認することについては、心底うんざりしてしまう。(Alert Level が 3 になっても、やはりまだ送られて来たものを消毒するだろう)


さて、ロックダウン中ではあるが、ビデオ エディターを探している広告会社が、T に(興味があったら)面接をしたいのだがと連絡をよこしたらしく、先日、T は部屋で FaceTime を使ってインタビューを受けていた。背景はブルースクリーンで、植物を自然にぼかして入れ、本当の部屋かどうか見分けがつかなかったかも知れないなと笑っていた。

インタビューの結果、即採用決定... 

これまで大企業の仕事をして来たT の実績と、以前働いていた広告会社で一緒に仕事をしたことのあるプロデューサーが、最近その広告会社に移ったらしく、そのプロデューサーの一推しでもあったことが大きく影響しているのだろうと思うが、大学を出立てで就職先を探すのに一苦労していた時のことを思うと、企業側から仕事のオファーが来るようになった今の状況は、本当に嬉しく、有り難い。
T や H(グラフィック デザイナー)に関していえば、アジア人であることで差別され、敬遠されるようなことはもう無い。

『若い頃の苦労は買ってでもせよ』とよく言われるが、異国で、辛く、悔しい思いをして来た経験が、いつかあの子たちの役に立つに違いない。


今日の首相の記者会見で、 Alert Level が一段階引き下げられることを確認するや否や、私がしたことは、クーリエの予約...
9 日前、オークションサイトで売れた商品を発送できずに、ずっと気を揉んでいたのだ。(Level 4 の間、全てのクーリエは生活必需品の発送しか受け付けない)
ようやく送る手続きを完了できた旨を落札者にメールし、梱包を済ませ、明後日のピックアップを待つばかりとなった。

やれやれである。



14.9.21

COVID-19: T のワクチン接種

 なぜこんなにも接種会場によって対応が違うのか...


私がワクチン接種を受けた 4 日後、同居人 T は違う場所で接種を受けた。



T が接種を受けた会場では、建物に入ると直ぐに氏名の記載された接種記録カードを渡され、熱を測り、名前の書かれたシールを服に貼られたとのこと。

私はレコードカードも渡されなければ、熱も測られず、名前の書かれたシールなんぞも無かった。(名前の書かれたシールを服に貼る必要があるとは思えないが...)

だが、T は接種後、接種部位にバンドエイドを貼ってもらえず、(おそらく服が擦れたためだろう)チクチクすると言っていたのを見て、そこだけは私の方がマシだったねと笑った。


同じロックダウン中の地域にありながら、会場によって(私が受けた会場から 11.4 km、車で 15 分ほどしか離れていない同市内で)こうも違いがあると、その判断基準に疑問を持たざるを得ない。


ちなみに T は接種直後から軽い吐き気(腹部がむかつく感じ)がすると言っていて、15 分の経過観察後に会場を出て来はしたが、夕食を済ませ、床に就くまでその不快感は続いていたようだった。
また、接種後 7 時間ほど経って熱っぽいと言っていたが、熱を計ることなく、翌朝起きて来たときには熱っぽさは消え、腹部の不快感も無くなっていたようで、接種部位の鈍痛は依然あるものの、副反応がその程度でよかったと一安心した次第である。

2 回目の接種後が思いやられるところではあるが...




11.9.21

COVID-19 : ようやくワクチン接種

私が 予め予約してあった接種会場は、今回のコロナ感染者が感染した可能性があると伝えられている正にその建物内で、MIQ(隔離施設)となっているホテルに隣接していた。(私の予約時には、自宅近辺にはその接種会場しか選択肢が無かったのだ)

今回のコロナ感染者が出たことにより、その MIQ ファシリティーの感染対策が適切に施されていないことが大きく取り沙汰されることとなったが、よりによってそんな場所にワクチン接種会場を設置するなどあり得ないと、私は心底心配になり、他の会場を探していたのだが、中には接種予約者に通知をすることなく突然閉まってしまった接種会場が幾つかあったらしく、変更した会場がそのようなことになったら、どんどん接種日が遅くなってしまうではないかと、そんなことも不安の種となり、落ち着かない日々が続いていた。

接種予約日が 3 日後に迫った日、COVID Vaccination Healthline からテキストメッセージが届き、今回の予約について電話が来るとのこと... その数時間後に電話が来て、この先会場が変更となるので、予約日を変更して欲しいと言われ、その電話において、2 回の接種日を再予約したのだが、その時点では、ワクチン摂取に関するホームページ上での接種会場は変わらぬ住所が記されおり、今後変更になるという通知もなされていなかったため、本当にヘルスラインからの電話だったのかどうか、変更した日程は正規のものなのかどうかと、不安になった。

接種日を変更した翌日になり、ようやく接種会場が変更となる旨の報道があり、一件落着。


接種当日、買っておいた "お高い" N95 のマスクを着け、会場に行き、携帯電話で QR コードをスキャンした後会場内に入ると、そこでサージカルマスクを渡され、それに付け替えるよう言われた。自分が着けているものにはバイキンが付着している可能性があるため、それを着けて入場することはできないとのことだったが、むき出しでそこに置かれているマスクの周辺を数多の人が通り過ぎているわけだから、それも安全だとは言い切れないのではないか... などと思いながらも、仕方なくマスクを着け替え、次の受付場所まで間隔を開けて並んでいた。(後に、自分が着けて行ったマスクの上から渡されたマスクを着けた方が安全だったことに気づいたが、 "後の祭り" だった)

私の前に並んでいたのは 4,5 人で、比較的スムーズに進んでいた。


受付で名前、生年月日、住所を聞かれ、「予約を変更した?」と聞かれたため、ヘルスラインのスタッフから電話が来て、変更するよう言われ、その電話において再予約した旨を話した。

接種場所は幾つかのブースに分かれており、私が案内されたのはインド人の接種担当者のブースだった。(私はとりわけインド人と縁があるようだ)

そこでもまた、氏名、生年月日を聞かれ、次にワクチン接種についての一連の説明があり、当日の体調に問題無いことを確認した接種担当者は、ワクチンの有効性やら服反応やらの説明をしてくれ、その説明に納得して接種を受けることを承諾するかどうかを口頭で確認された。

接種部位をアルコール消毒することなくいきなり注射... 

注射針が入ったことも、液が注入されたことについても何の感覚も無かったが、消毒せずに打たれたことがずっと頭に残っていたため、15 分の待ち時間が終了したら名前を呼ばれるというので、その部署の担当者が名前を呼んでくれるのを今か今かと待ちわびていた。(不安な気持ちで待つ 15 分は長い)



接種前のアルコール消毒については、この国では推奨されてはいないらしく、担当者は、「アルコール消毒するとかえって黴菌を付着させる危険性があるため、接種前の消毒は行わないことになっている」と説明してくれた。(接種担当者がし忘れたわけではなかった)

日本での注射の経験しか無かった私にとっては寝耳に水の出来事で、接種日を数日後、また数週間後にひかえている家族に知らせると、皆一様に「大丈夫か?」と驚いていた。

疑問に思ったら直ぐに調べるタチの私は、日本語の某サイトでこんなものを見つけた。


この歳になるまで信じて疑わなかったことが、意味の無いことだったことを、この国に来て初めて知ったわけである。

接種後 15 分、体調に変化はなく、接種会場の外に停めた車の中で待っていてくれた T と一緒に家に直帰。

家に戻り、受け取ることになっている接種記録カードを受け取っていないことに気付き、ヘルスラインに email で問い合わせると、オークランドはロックダウン中なので、安全を考え、カードを手渡しすることを止めている接種会場があるが、各個人の接種記録はちゃんと残っているので、心配は無いとの返事が来た。(とはいえ、会場によっては、手渡している所もあるらしい... けっこういいかげんな判断基準)

接種後『ワクチン接種に関するチラシ』は手渡されたのだが... と、ちょっと不安になった。


接種当日の深夜から翌日にかけて、接種した方の腕を動かしたり、接種部位に触れたりすると鈍痛を感じる程度の服反応は出たが、他には変化はなく、やれやれと一安心した。



しっかりしているようでそうでもない対応を、笑って済ませるようになってしまっている私たち... もうすっかり NZ の住人になっている。

あとは、接種されたのが、間違って生理食塩水だけとか、はたまた原液とかで無いことを祈るのみである。




29.8.21

ロックダウン プロジェクト

ロックダウンになってから 2 週間が経ち、あれよあれよという間に感染者数は 400 人を越えてしまった。そのほとんどはここオークランドにおいてで、オークランドを訪れていたウェリントン在住者からは、大きな感染爆発は今のところ起きていないようだ。

なぜこうもオークランドでの感染が多いのかといえば、MIQ facility (Managed isolation & Quarantine 国外からの帰国者の隔離施設/指定ホテル)が際立って多いからで、しかも、ホテルは辺鄙な郊外ではなく、街中にいくつかあり、今回は隔離期間中の者が一般市民と充分な距離を保てていなかった可能性が否定できないとの報告があったりし、またもや MIQ 関係か... と、日常生活が極めて不便になっているオークランダーは憤りを感じている次第である。

ロックダウンでほとんどの店は閉まり、スーパーマーケットのオンラインショッピングは配達日時枠が直ぐに埋まってしまい、予約したくてもできない人が多く発生する。
運良く配達日時を予約できても、注文した物が全て届くとは限らない。
H は、 「ストック切れで注文した内の 21 品が届かなかった」と嘆いていたが、買い物一つとっても結構なストレスだ。

ちなみに、私はというと、肉はオンライン ミートに注文し、魚はシーフード マーケットから新鮮なものを取り寄せてと、専門店にそれぞれ送料を支払って送ってもらったが、日用雑貨とか野菜、卵、調味料等々はやはりスーパーマーケットに注文を入れるしかなく、H から「この時間にログインしたら配達のスロットが空いてるかもよ」と教えてもらった早朝にチェックして、幸運にも当日の配達予約を済ませることができた。
はてさて、どれだけの品が届くことやら...  せめて卵だけは入っていますようにと祈っていたが、幸いにも品切れは 6 商品ほどで、卵も、トイレットペーパーも、マヨネーズも届いて、ほっと一安心したところである。


以下はロックダウン前から書き残してきた記録に、ロックダウン中も引き続いて行なっている作業を加えて書き記したものだ。

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7 月初旬、H とパートナーは購入した家に引っ越した。

引っ越しの前日、家の鍵をもらえたのが夕方で、最初に殺虫剤を噴霧するというので、家に入っても大丈夫な時間となった午後 7:00 、 Tと一緒に掃除の手伝いに行った。

H たちが引っ越した先は、我が家から高速を使って25分程度の所なのだが、朝夕のラッシュ時には倍の時間がかかるようで、朝は 7:15 頃家を出ることにしているということだった。(始業時間は 8:30 AM)


家は平家で、広いキッチンとサンルーム、そして予想以上に広かった庭が殊の外印象的だった。余裕で庭にあと一軒建てられるほどの広さだ。

庭には木が何本も植っていて、その内の2本はとてつもなく大きく、他は植えてまだ数年という感じのものが多かった。

新しい家に入ると、これまでは必要の無かった家具やら何やらが必要だと思えてくるもので、間取りに合わせて何や彼やと揃えていくとかなりな出費になってしまうのだが、それが無いと不便だという思いは日増しに強くなって行き、結局どんどん物が増えて行ってしまうのである。H たちも例外ではないようだ。

引っ越し荷物を片付け終わった頃、H からBird Feeder と紙ナプキン ホルダーを作って欲しいとリクエストが来たため、ネットで一般的な Bird Feeder のサイズを調べたり、紙ナプキン ホルダーのデザインをしたりした後、製図を起こし、Bird Feeder 用の板を買った。

紙ナプキン ホルダーは、手元にある Ancient Kauri / Swamp Kauri の端切れ板で作ったが、この Ancient Kauri は板目が入り乱れている部分があって、鉋がけがし辛いため、私はついついキャビネット スクレイパーやらカード スクレイパーに頼ってしまうことになる。(... 結果、鉋がけのスキルは上達しないまま人生を終えることになるだろうことが予想される)


組み立て終わり、底にコルクを貼り、(コロナの市中感染者が出たことを知らず、幸いにもロックダウンのアナウンス当日午後に買いに行っていた) OSMO TopOil を薄く薄く塗り、12 時間以上乾燥させた後に 2 度目の塗装をし、オイルが完全に定着するまで放置... (どのみち、ロックダウンが解除されるまで届けに行けない)


オイルを塗ると色が濃くなり、艶が出て綺麗だ。







Bird Feeder 用には DIY ショップで安い板を選び、ザラザラだった表面は鉋で削り、反りも修正した。



安い板だけあって、鉋をかけて表面をスベスベにしても、そんなに綺麗には見えない。カラー ペイントしようかどうしようか迷うところだ。

雨が降って餌がビショビショにならないよう、ポリカーボネート板をはめることにし、取り敢えずポリカーボネート板以外の部品を製図通りにカットして行き、ドライ フィットを繰り返す日々が続いた。


貼ってあった安いマスキングテープを剥がした際に、板の表面が剥がれ落ち、再度板を削らざるを得なくなり、更に、鉋をかけたために板厚が変わってしまったのに合わせ、予めジョイント部分にマーキング ゲージで印を付けてあった通りには削れず、微調節しながら作業をする羽目になった。

このようなことがあると、安いマスキングテープはもう二度と買うものかと痛切に思ってしまう。


吊り下げた時に容易には外れないようにと、側面の板は片方が裾広がりになっているハーフ ラップ ジョイントで餌箱に貼り付けることにしたが、片方は曲線なため、鋸で削り取る深さまでスコアを入れることはできず、鑿やらナイフを使って、地道に削り取っていくしかなかった。


また、側面の 2枚の板を繋ぐ上部分は、外から見えないようになる内側のみに、(板厚の 2/3 ほど)ダブテイル ジョイントを施した。



屋根は片方を固定し、片方はヒンジで開くようにしたのだが、固定する側の屋根には補強板を付けた。
補強板は裾広がりのほぞを側面の板に差し込み、上方向の引っ張りに対して強度を持たせたつもりだが、吊り下げた際に屋根そのものには負荷が掛からないため、これはあまり意味が無かったかもしれない。



売られている木製の物のほとんどは、切った板をグルーとネジ釘(或いは釘)を使って単に組み立てただけの非常に簡単な作りで、手間暇かけてジョイントを施して作った物ではなく、YouTubeなどで披露されている多くも似たようなものだ。おそらく長持ちはしないだろうが、その程度で充分だと誰しもが思うところだろう。
たかがバード フィーダーだ。

只々自分の鍛練と、ボケ防止のために面倒な作業をしているようにしか思えなくなってきたバード フィーダー作り...

どのように組んだら縦横の引っ張りに強くなるだろうかとか、風雨にさらされても傷みを最小限に抑えるためには、何をどのようにしたらいいのかと、毎日そんなことばかり考えていたのに、注文したポリカーボネート板がロックダウン翌日に無事届き、いざ組み立ててみると、側面の板に嵌め込むことにしてあった "窓" が構造的に嵌められないことに気付く羽目になった。

何とかして無理やりにでも嵌められないかと策を探すこと数分... 結局諦めて一部に切れ目を入れ(赤丸部分)、差し込む際に当たる部分(矢印の内側の)角部分を削って対処した。



次に、ポリカーボネート板を差し込んで組み立ててしまった後では内側をペイントし辛くなるため、組み立てる前に内側をペイントした。これも 2 度塗り。

OSMO のオイルは極薄く塗るだけなので、塗りムラはできず、更に塗り重ねる前にサンドペーパー等で表面を平らに均す必要が無いため、非常に楽である。


スクロールソーで作っておいた窓の飾りも、側面の板に貼り付ける部分を除いて予めペイントしておき、耐水性グルー TiteBond 3 で貼り付けた。これも、組み立て終わってからでは手持ちのクランプで留められない。


内側のペイントが乾いてようやく組み立て...
窓が入らずやむなく切れ目を入れた部分には、ポリカーボネートの端切れで補強を入れておいた。(補強兼失敗隠し)



さて、最後に残った屋根の取り付け...
どのように取り付けようかとずっと考えていたのだが、取り敢えずヒンジを購入しなくてはと、ネットで調べると、ちょっとアンティークっぽく見える物が目に入った。だが高い...


たかがヒンジにそんなにお金をかけるのはもったいない。

自分で削れば同じようなものができると、購入してきたのは何の飾り気もないストラップ ヒンジだ。


お高いヒンジを真似てパターンを作り、マスキングテープを貼った安いヒンジに型を写す。



ハックソーやらファイルを使って黙々と作業していたら、一面切り終わる前に面倒臭くなり、途中からスクロールソーにメタル用の刃を着けて、不要部分をカット。スクロールソーでカットした後、ファイルで形を整えるという方法に切り替えた。こちらの方がはるかに楽だ。



切り終えたヒンジの表面をサンドペーパーで削り、ステンドグラス用のパティーナで着色しようと試みたが、ムラに染まって失敗...


仕方なく、金属にも使える塗料をスプレーした。


出来上がりは、安いヒンジに手を加えたとは思えない程度になった。



さて、屋根をどうしようか...

同居人 T に、"Bad design" と何度も言われ、苦笑いしながらも、餌の補充がし易く、強度もあり、かつ雨にも強い構造にするべく何日も何日も考えた挙げ句に、屋根のトップから雨が染み込まないよう(見栄えは悪いが)シリコン製テープを被せ、テープを押さえるための細い板を取り付けることにした。

出来上がりを見ても、なぜこんなに時間がかかったのか誰にも理解できないだろうなと、そんなことを考えながら、組み立て終わった。

あともう少しで出来上がる...


余談だが、板を貼り合わせる際にはみ出たグルーは、鉋屑で拭き取る。これは雲の上のお師匠さんだけでなく、亡き父もやっていたのを覚えている。




「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...