19.3.16

Kilimanjaro Kafe

朝起きると、取りあえずはキリマンジェロ カフェに行き、そこで朝食を取ることになっていた。

美味しかったかどうか全く覚えていないコーヒーと、すこぶる美味しかったパイナップル ジュース。トースト… 卵料理はウェイター或はウェイトレスがその場で焼いてくれていた。サラダにベーコン、ソーセージ、果物などといった定番のものが並んでいたのをかすかに覚えているが、2週間滞在してしていた間、毎日そこで朝食を取ったはずなのに、果物以外何を食べたのかさっぱり覚えていない。

豪華な美しいリゾートホテルだった。
自分が選んだわけでもなく、招かれたというのでもなく、ただそこに行かざるを得ない境遇に陥ってしまった私達は、次に起こることがどんなことかもさっぱりわからず、観光気分などというものも味わうことなく、アフリカ大陸に着いたわけでもないのに、毎朝キリマンジェロ カフェに行くしかなかったのだ。

そのカフェは、敷地内の中央に広がる大きなスイミング プールの中に建っていた。
水辺に近い席をとり、コーヒーを頼む。
スタッフたちは、おそらく私達の身に起こったことを聞かされていたのだろう、皆とても親切に、そして、静かにしておいてくれた。

17年経った今でも、時々ふっとキリマンジェロ カフェの香りが漂ってくる。
そして悲しみがこみ上げる。

もう人生を終わりにしたい。
終わりにして欲しい。

時々どうしようもなくそう思う時がある。


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