ある人(全く知らない人)がチェスボードの付いた小物入れ(?)を作ったのを見た。
チェスボード自体は綺麗に出来上がっていたが、そのボードの下の箱には夥しいほどの(仰々しい/これみよがしと感じるほどの)dovetail jointがなされており、お世辞にも美しいとは思えなかった。
それを見た時、私は、父の言葉を思い出した。
父は息を引き取る数日前に、私の作ったアロマボックスを見て、開口一番言ったのだ。
「こんなことはしない」
『こんなこと』というのは、板と板の継ぎ目に入れた補強(spline joint)のことである。
チェスボード自体は綺麗に出来上がっていたが、そのボードの下の箱には夥しいほどの(仰々しい/これみよがしと感じるほどの)dovetail jointがなされており、お世辞にも美しいとは思えなかった。
それを見た時、私は、父の言葉を思い出した。
父は息を引き取る数日前に、私の作ったアロマボックスを見て、開口一番言ったのだ。
「こんなことはしない」
『こんなこと』というのは、板と板の継ぎ目に入れた補強(spline joint)のことである。
西洋人はこの手法を補強兼アクセントとしてよく使うが、"日本の職人はこのような見苦しい補強は施さない"という意味合いで、「こんなことはしない」と父は言ったのだ。
表に現れず、強度も申し分の無いジョイントの仕方を習得しろよと、父は暗に私に諭していたのだと思った。
完全に隠れて見えないようになってしまう箇所に時間をかけると言うよりも、手間暇掛けて、シンプルに見えるように作ると言うべきかも知れない。
私は今、blind dovetail と呼ばれる外からは完全に見えなくなるジョイントを、正確に素早く仕上げられるように、必死で練習しているところである。
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