ダウンタウンに出掛ける用事があったので、小雨が降り出した中をバス停に向って歩き出した。
バス停は坂を上り切った所にあるT字路の向こう側にあり、すぐ傍の信号機が緑になるのを待っていると、もうすぐそこにバスが迫って来ていた。
運良くこちらの信号が緑になり、道を渡り終えると同時にバスが停車した。
ポストショップにまず寄り、出来上がったばかりのウェルカム サイン ボードを投函し、その後いつものように用事を済ませに2軒店舗に寄り、ネスプレッソの店に入った。
あいにく新しい商品は出ておらず、2週間以内に新商品が発売されるはずだと言うので、お気に入りの物を少々買って、帰りのバス停でバスを待った。
行動範囲は極端に狭い。バスを降りてから、歩いて数分の場所にしか行っていない。
久々にダウンタウンに出掛けても、他に行く所も無く、見たいものも無く、あっという間に家に帰って来る。
バス停で私の後ろに並んでいたアジア人の若い女性が、ベビーカーに乗せた子供をバスに乗せなければならなかったので、お先にどうぞと促し、ベビーカーを乗せるのを手伝った。
バスに乗って席に着き、小銭入れをバッグに仕舞っているとき、私の後に乗り込んできた周囲の人とは雰囲気の違う3人組(年配の、スタッドの付いた革ジャンを着た長めの髪の男性2人と、若くて男っぽい格好をした何だか暗い感じのスレンダーな女性1人)の内の女性が、コインを手に持ち、私にくれると差出すので、何で???と聞いたのだが、「いいから、受け取って」と、持っていた$2.50 を口の開いていた私のバッグに落し入れ、後ろの席の方に行ってしまった。
何が起こったのか理解できないでいる私に、その女性の後ろから入ってきた革ジャンの男性が、優しい笑顔で「いいから、もらっておきな」という仕草をして通り過ぎて行った。
私は「もらう理由が無いから」と返そうと思っていたのだが、3人組は乗って間もなくバスを降りてしまい、返すことができずに終わってしまった。
一体何だったんだ…
非常に不思議な人たちだった。
本当に彼らは存在していたのか?とさえ思えるほど雰囲気が違っていたので、家に戻ってから、あれは本物のコインだったのかと確認してしまったほどだ。
大道芸人ではないのに、見知らぬ人が通りすがりに小銭をくれるという、とても奇妙で居心地が悪く、狐につままれたような経験をしたという人が、私以外にもこの世に多くいるのだろうか?
変な日だった。
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