7.7.16

注文製作

インターネット オークションで注文を受けたものの製作は、お互いに『信用』しないと先に進まない。

その人のためにだけ新しくオークションを開き、相手がこちらを信用して、どんなものが出来上がるかわからないまま前払いしてくれるか、或はこちらが相手を信用して、買ってくれる保障も無いまま作業を始めるかのどちらかが先になる。

私は買ってくれるという保障が無いまま作り始めることが多いが、大概の場合、相手は私が既に作り始めていることを知らないまま、すぐに支払いを済ませてくれ、気長に出来上がる日を待っていてくれる。

もちろん、中にはそんな誠実な人ばかりではなく、簡単に心変わりして梨の礫になる人もいるが、そのような無責任なことをする人というのは、おそらくこの一回だけではなく、何度も同じようなことをしてその"人となり”を露呈して生活しているに違いなく、いつか『撒いたもの』を刈り取ることになるだろうことは目に見えている。


さて、今回の農場/農園の看板をオーダーしてくれた人は、新しくオークションを開くと、数日後に支払いを済ませてくれていた。
有り難いと思う反面、未だ製作途中で申しわけなく思ってしまう。

前払いしてくれたことに感謝し、進行中の写真を送って、既に作り始めていることを伝えておいた。少しでも安心してもらえるといいなと思って。


朝、寒々としたアトリエのドアを開けると、朝日が差し込んでいて、"続きの仕事"が待っている。
私はこの風景が好きだ。
たった一人で、一日中黙って仕事をし続けるのも性に合っている。


スクロールソーの横の作業台には、カットした文字が積み重なり、カットし終わる頃になると、周りは粉だらけになっている。
細かい粉が舞うので、マスクは欠かせない。


パターン通りにカットし終えると、次は接続部分の加工だ。


ここで活躍したのは、つい先頃購入したRecord #778だった。
パターンよりも2~3mm 多めに切っておいた部分を、シューティングボードを使わずに(と言うより、四角の板ではないので、シューティングボードは使えない)、縁を直角に保ったままパターン通りに削るのには、この幅広のフェンスを付けた Rebate Plane が最適だった。


上の写真は、ブレードを中央にセットしてあり、安定した削り方ができるが、下の写真のように削る面よりも出っ張っている部分がある場合は(今回は犬の顔)、bullnose と呼ばれる先端部にブレードをセットしないと、削る部分の際まで鉋をかけられない。
この先端部分にブレードをセットしたのはこれが初めてだが、決して削り易いとは言い難く、馴れるのに時間が必要だなと思った。



この、鉋をかけ図面通りに揃えた部分を張り合わせるのに、dowel (だぼ)を5箇所埋め込んだ。使用したグルーは Titebond III (耐水性グルー)で、どういうわけかこれには薄茶色の色がついているため、しっかり張り合わせても、張り合わせた線が隠れずに残ってしまうという難点がある。


屋外で使用する物なので、耐水性グルーを使うしかなく、継ぎ目は見えても仕方がないかなと諦めたが、考えたら、これは黒くペイントするので、全然問題無かったんだとホッとした。

今日はサンディングの途中でタイムアウトとなった。
サンディング/シェイピング(スクロールソーで正確に切れなかった箇所をヤスリで削ったり、サンドペーパーで磨いたりして、形を整えて行く作業)にやたらと時間がかかり、丸々半日作業してもまだ終わっていないので、明日も同じ作業をしなくてはならない。


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インターネット オークションで落札した Tome のヤスリが届いた。
中古と言えど、とても良い状態で、素人の私が見ても上等なものだというのがわかるほど、丁寧な仕事がなされているものだった。



あぁ、それに比べて、この Stanley のお粗末さときたら…



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