18.10.15

ジュエリー考

ここ数年ほとんど身に着けなくなったジュエリーが、タンスの中に眠ったまま忘れ去られていた。

あぁ、これは彼の人からのプレゼントだったな… とか、
あぁ、これはあそこで買ったものだ… とか、
おぉ、こんなのもあったな… とか、

しげしげと眺めながら、過去のことを思い出していた。

若い頃から40を越えるまで化粧気の無かった私は、ジュエリーにもまた特別な興味は無く、彼の人が全く裕福ではなかった若い頃にプレゼントしてくれたオニキスのペンダントとか、海外旅行した際のお土産とかでプレゼントされた幾つかの物を除いては、他に何も持っておらず、彼の人が居なくなってから数年後に、あまりにも急激に老け込んでしまっていた自分に仰天して、せめて子供達のためにだけでも、明るく小綺麗な格好をしていなくては…と、"世間並み" の装いをするよう努めるようになったおかげで、小さなジュエリーボックス1個くらいに納まる程度の装飾品は家にあるようになった。

しかし、ここ最近は特に、着飾って外に出掛けることが無い。
DIY ショップとか、スーパーマーケットには行くが、ただ単に『用事を済ませる』ことだけしか頭にないので、ジュエリーの存在など全く忘れている。

当然のことながら、毎日の木工やら、ガラスの仕事にはジュエリーなど身に着ける必要などない。

そんな私が作った木製の透かし彫りのペンダントは、果たして一般女性の『美しく装いたい』という願望に火をつけることができるものなのだろうか…


使った板は高級なNZ Rimu。
ただスクロールソーでカットしたがけではなく、四隅を削り、中央に膨らみをもたせている。

世界に一つしかないはずのこのペンダント。
身に着けてくれるのは、どんな人なんだろう...








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