30.5.16

雄弁は銀、沈黙は金?

私に似て口数の少ない同居人たちは、一人で淀み無く喋り続けてくれる人と一緒に居た方が気が楽だと言う。たまに相槌を打つ程度でいいからだ。

私の知り合いにも、ずっと一人で喋り続けていてくれる人が数人いる。
その内の一人はイギリス人。今はタイに移り住んでしまっていて、滅多にNZに帰って来ないため、もう長い年月顔を見ていないが、彼は頭脳明晰な上に人柄も良く、喋らせたら右に出る人はいないのではなかろうかと思えるほど、聴衆を惹き付ける魅力のある話し方のできる人である。
明らかに独りよがりの、独断と偏見に満ち溢れた"喋り続ける人"が多い中で、彼が一際話し上手に聞こえるのは、おそらく彼の人生が奥行きの深いものであるからだろう。
私が言う『奥行きが深い』というのは、大変な苦労をし、必死で乗り越えて来た背景があるということだ。

歳を取ったからだろうか、他の淀み無く喋り続ける知り合いと一緒に居るとただ疲れてしまうだけになってしまった。相槌を打てないような話題ばかりを聞かされ続けるのは苦痛以外の何ものでもない。
全く興味のない芸能人のゴシップ、噂話、占い、etc, etc…..


聖書には、多くを語るなと勧めている箇所がいくつかある。

言葉が多ければ違犯を避けられない。しかし、唇を制する者は思慮深く行動しているのである。(箴言10:19)

自分の口に関して自分をせき立ててはならない。……. あなたは言葉を少なくすべきである。(伝道の書5:2)

愚かな者は多くの言葉を話す。(伝道の書10:14)

わたしたちはみな何度もつまずくのです。言葉の点でつまずかない人がいれば、それは完全な人であり、全身を制することができます。(ヤコブ3:2)


『言葉が多ければ違犯を避けられない』というのは確かに言えている。しかし、多くを喋らなかったら違犯を避けられるのかと言えば、必ずしもそうではない。

言葉数が少なかったために他人を窮地に追いやってしまい、取り返しのつかないことになってしまったという悲しい事例もあるのだということを、決して忘れてはならない。
これは、私からの箴言だ。




26.5.16

$2.50

ダウンタウンに出掛ける用事があったので、小雨が降り出した中をバス停に向って歩き出した。
バス停は坂を上り切った所にあるT字路の向こう側にあり、すぐ傍の信号機が緑になるのを待っていると、もうすぐそこにバスが迫って来ていた。
運良くこちらの信号が緑になり、道を渡り終えると同時にバスが停車した。

ポストショップにまず寄り、出来上がったばかりのウェルカム サイン ボードを投函し、その後いつものように用事を済ませに2軒店舗に寄り、ネスプレッソの店に入った。
あいにく新しい商品は出ておらず、2週間以内に新商品が発売されるはずだと言うので、お気に入りの物を少々買って、帰りのバス停でバスを待った。

行動範囲は極端に狭い。バスを降りてから、歩いて数分の場所にしか行っていない。
久々にダウンタウンに出掛けても、他に行く所も無く、見たいものも無く、あっという間に家に帰って来る。

バス停で私の後ろに並んでいたアジア人の若い女性が、ベビーカーに乗せた子供をバスに乗せなければならなかったので、お先にどうぞと促し、ベビーカーを乗せるのを手伝った。
バスに乗って席に着き、小銭入れをバッグに仕舞っているとき、私の後に乗り込んできた周囲の人とは雰囲気の違う3人組(年配の、スタッドの付いた革ジャンを着た長めの髪の男性2人と、若くて男っぽい格好をした何だか暗い感じのスレンダーな女性1人)の内の女性が、コインを手に持ち、私にくれると差出すので、何で???と聞いたのだが、「いいから、受け取って」と、持っていた$2.50 を口の開いていた私のバッグに落し入れ、後ろの席の方に行ってしまった。
何が起こったのか理解できないでいる私に、その女性の後ろから入ってきた革ジャンの男性が、優しい笑顔で「いいから、もらっておきな」という仕草をして通り過ぎて行った。

私は「もらう理由が無いから」と返そうと思っていたのだが、3人組は乗って間もなくバスを降りてしまい、返すことができずに終わってしまった。

一体何だったんだ…

非常に不思議な人たちだった。
本当に彼らは存在していたのか?とさえ思えるほど雰囲気が違っていたので、家に戻ってから、あれは本物のコインだったのかと確認してしまったほどだ。

大道芸人ではないのに、見知らぬ人が通りすがりに小銭をくれるという、とても奇妙で居心地が悪く、狐につままれたような経験をしたという人が、私以外にもこの世に多くいるのだろうか?

変な日だった。



RWW201 Barron Dovetail Guides



サブスクライブしているYouTubeのチャンネルが幾つかあるのだが、その中でも最も好きな木工関係のチャンネルの一つが、この RenaissanceWW

とりわけ、今回のダブテイルガイドのリビューは素晴らしく的を得ていていい。

私はかねてより、ダブテイルジョイントを簡単に綺麗に仕上げるためには、この治具が最も効果的であろうと思っていたのだが、結果的に買わなかったのは、このようなものに頼っていたら、いつまで経っても技術が向上しないということがわかっていたからだ。

練習し、コツをつかめば、このようなガイドが無くても綺麗なダブテイルジョイントを仕上げられるようになるのだということは、多くの先人の残した仕事を見れば容易にわかる。
昔は、とりわけ日本には、西洋の便利な工具類など無かったのにも関わらず、その卓越した技術は世界的に類を見ないほど精密且つ洗練されたものだったのだ。

便利さを求め過ぎることには、技術の衰退を招くという落とし穴が潜んでいることを、私達は忘れてはいけない。

「感覚を研ぎ澄ませるんだぞ」と、父はその人生の最期に私に助言してくれた。
そう、マグネットの付いたガイドに身を任せるのではなく、感覚を研ぎ澄ませるんだ。

自分のでき得る限りの能力を引き出すにはどうしたらいいかを、私も今一度考え直してみなければならないと、このビデオを観て再確認した次第である。



24.5.16

あれから18年目の誕生日

同居人Tが今の仕事に就くためのインタビューを受け、仕事が始まったのが彼の人の誕生日。そして、社内で他のポジションに異動すべくインタビューを受け、いよいよ異動となった日は、私の誕生日だった。
インタビューを受けた日からその日までの間に、それぞれ何週間もあったというのに、まるでその日に決まっていたかのように、ピッタリ『ある特定な日』になるというのは、一体何なのだろう…

私の父が亡くなったのも、まるで合わせたかのように、彼の人の誕生日になってしまったのにも、何か意味があったのだろうか…
父はその日の朝には自分で髭を剃れるほどに回復していたのだ。そんな父がまさか数時間後に息を引き取るなんて、誰が信じられようか。

1年は365日もあるのに、私の周りでは不思議な一致の起こる確率がやたらに高い。

これからどんなことが起こることになっているのだろうか…

インターネット オークションの Q&A 上で注文してくれた人へのウェルカム ボードを作りながら、そんなことを考えてしまった今年の誕生日。
「あなたよりも、もう18年も長生きしてしまったよ」と彼の人の写真に向ってつぶやき、細かい木の粉が舞う中で、ひたすら板を切り続けていた。






21.5.16

美しい鍋敷き


切り終えた鍋敷きにオイルコーティングをし、拭き取れる部分はすぐに表面のオイルを拭き取る。透かし彫り部分は完全に拭き取り切れないため、キッチンペーパーなどの上に置いて垂れて来るオイルを吸い取るようにしている。ペーパーは度々交換し、垂れた痕が残らなくなったら、S字フックで引っ掛けて吊るして乾かすのだが、乾き切るまでに有に2週間以上はかかる。天候にも依るが、1ヶ月経ってもまだ乾き切っていないように思うことも珍しくない。


残った同じ板でイスラミック幾何学模様の鍋敷きを切り出した。
これはこの後周囲を面取りする予定だが、オイルを塗っていない板と、オイル処理した板の色艶の違いがわかるように、並べて写真を撮っておいた。


オイルを塗るだけで、深みのある色になり、光沢も出るのだが、それ以上に板を保護する役割も担っているのだ。

例えば、日本人であれば毎日のように使うだろう木製のお箸… 何度か洗っているうちに光沢は無くなり、ガサガサ/パサパサな見た目になって来る。パサパサになってくれば、当然折れ易くなり、使えなくなってしまうので、定期的に植物油などを薄く塗り、乾燥させるようにすると、見た目も使い心地もよくなる。
木製のまな板も同じようにケアする必要があるが、植物油の臭いが気になるので、ココナッツオイルを使っているという人が結構な数居て、あぁ、そういうものでも大丈夫なんだと、最近試してみたりしている。


この鍋敷きは厚みが 2cm ほどあるハードウッドでできているので、かなり丈夫なのだが、万が一、熱で湿った板から色が出て、テーブルクロス等に色が移ってしまっては困るので、(見た目が何だか不格好で、私は好きではないが)ゴム製の足を付けておいた。

鍋敷きとテーブルトップとの間が開くため、テーブルトップを保護するためにはこちらの方が好ましいには違いない。



19.5.16

自分でできるということ


ここ数日出掛ける用事が重なったため、先日作ったスクロールソーのダストボックス(ダスト コレクター)にペイントし、乾かす時間が充分あった。

緑のボディのスクロールソーに合わせてアトリエにあった緑色のペイントを使ったが、色が違う…
まぁ、こんなものはどうでもいい。


早速使ってみたところ、ボックスの縁にうっすらと舞った粉がかかっていたが、果たしてそれがテーブルの手前から落ちたものか、ブレードの出ている穴から落ちたものかよくわからない。

ほとんどのダストはしっかりチャッチできているので、服や足下がひどく汚れることはなくなった。





スクロールソーのボディの下に差し込んだ底板にもやはり若干の粉が飛んでいたが、こちらは全く気にならないほどの量だった。



ダストボックスを作るついでに、横に取り付ける浅い箱も一緒に作っておいた。
この上の写真に写っている『アームが落ちて来ないようにするためのストッパー』を置くための台として、これも磁石でボディにくっつけて使っている。

アームを固定するためのストッパーももちろん自作である。
このストッパーが無いと、ブレードを数多の穴に差し替える際に、アームが落ちて来てしまって実に作業し辛いのだ。



 これらは簡単にできるものばかりだが、自分で作ることができなければ、不自由なまま使い続けるか、はたまた誰かに頼んで作ってもらうか、出来合いの物が無いかどうか探さなくてはならなくなる。もし使えそうな物を見つけたとしても、それを買うのにバカバカしいほどの金額を支払い、その上法外な送料がかかったりもするのだ。

これらは全て端材でできている。自分で作ることができれば、わざわざこのために散財をしなくてもよいのだから、出来るに越したことはないと誰しも思うだろう。
(実際、誰でも出来るような簡単な作りだ)

---------------------------------------------------

昨日、お世話になっているお寿司屋さんに、修理した巻き寿司カッターのブレードを渡して来た。
ブレードを簡単に研ぐための治具を作り、研ぐためのダイヤモンド パドルのセットも一緒に渡して、研ぎ方を説明してきたので、「もう高いブレードを買わなくてよくなる」と、お寿司屋さんはとても喜んでくれた。
多分、ブレードが切れてしまわない限り、使い続けられるだろう。

彼は、「業者の人はこういうことを教えてはくれないんですよ」と言っていたが、機械を売っている業者は、間違ってもブレードの研ぎ方など教えないだろう。なぜなら、機械を売ってしまった後は、ブレードで稼がないとならないからだ。
鋸まで使い捨てのブレードにしてしまう国だ。このテの機械に付けるものを研ぎ直して使うなどという発想のもとに作るはずが無い。

そんなお寿司屋さんから、私はとても高価な物をいただいて帰って来た。



マキタのチェーンソー。

これで、前に同居人の友達からもらった丸太が簡単に切れると、頂くのを大変申し訳なく思いながらも、お心遣いに感謝して、ありがたく受け取って来た。

丸太を切って、何を作ろうかな… 
楽しみだ。

18.5.16

スーパーマーケットに行きそびれた日 :)

食料品の買い出しに出掛ける前にペインティング。

今日は晴れてはいたが、あいにくの強風で、裏庭の木々の葉っぱやら種子やら色々なものが飛んで来て、生乾きのペイントに貼り付く危険性があったため、ペイントしたものを外に出して乾かすことができず、閉め切ったアトリエに置いて出掛けることにした。

お世話になっているお寿司屋さんにちょこっと寄って、先日作った『 Thanks (マグネット付き)』を渡してからスーパーマーケットに行きましょうと、支度をして出掛けたのだが、お寿司屋さんが私に聞きたいことがあるというので、話を聞いていたら、もう昼時をとうに過ぎていたのに、お客さんがひっきりなしに来るので、その都度話が中断…
私は毎度のことながらお客さんと話をしていたりして、客足が切れるのを待ち、途切れ途切れに話を聞いていた。

レクサスに乗って現れた凛とした男性とは、お寿司が出来上がるまでの間、天気の話から日本のお花見の話になり、けっこう長く色々話をしてしまった。
以前2年ほど日本に仕事で行っていたということで、日本の食べ物は本当に美味しくて、カルチャーもすごくいいよねと言うので、確かに日本の食べ物は美味しいと私も思うけれども、日本のカルチャーが良いって、本当にそう思う?と思わず突っ込みを入れてしまった。
「確かに、ちょっとストレンジなところはあるけれども、おしなべて、皆礼儀正しくて、そういうところはすごいなって思うよ」と、真面目に答えてくれた彼は、桜の季節にビールを飲みながらお花見をするのが大好きだったんだそうだ。

後でお寿司屋さんに、彼は日本に住んでいたんですってねと言うと、お寿司屋さんは知らなかったらしく、いつもきちんとした身なりでやって来て、その品格のある風貌から、「お医者さんかしらね」と想像していたんですよと言っていた。
彼は banker と言っていた。私は、あ〜、そんな感じかも… と瞬時に納得した。

そんなこんなで、スーパーマーケットに行くのがだんだん面倒になり、夕食はお寿司でいいか… と、そのままお寿司を買って帰ろうとしたら、頼みたいことがあるからお代は要らないと受け取ってくれないので、十数本の頼まれものとともに、有り難く頂いて来た。


これは、巻き寿司を均等にカットする機械にセットして使うブレードで、頻繁にねじれたり曲がったりしてしまうので、いつも新しいものに交換しなければならないのだが、1本NZ$35以上もするので、もし直して使えるようだったら嬉しいということだった。

多分、ハンマーで叩いて直せると思うよと預かって来て、夕食までの数時間、ハンマーやプライヤーやらを使って、ブレードと格闘していた。
ひどく曲がっていたものは、若干の歪みが残ってはいるものの、使用には差支えないだろうと思えるくらいには直すことができ、次に、鈍らになっているブレードの刃を研ぎ直し始めた。刃は1ミリ程度しか付いていないので、これでは切れ味が落ちるのは早いだろうし、切れ味が落ちれば引っかかりが大きくなり、また曲がったりねじれたりしてしまうに違いない。

刃を長持ちさせるためには、定期的に刃を研ぐ必要があるが、果たして研ぎ直しができるブレードなのかどうかがわからない。インターネットで探しまくったが、ブレードの品質に付いての情報はどのメーカーも載せていないようで、見つけることはできなかった。

取りあえず1本、ダイヤモンドパドルで研ぎ直してみたが、紙を切った限りでは切れ味は格段によくなっているので、そのブレードを試しに使ってみてもらい、具合が良ければ、これから刃の研ぎ直しを引き受けることにしようと思っている。



明日こそは食料品を買いに行かなくては...



15.5.16

スクロールソー用ダストボックス作り


テーブルに置いて使っていたスクロールソーを、自作のキャスター付きの台に乗せて使うようになってから、このノブのところに降り積もるダストが足下に落ちて、服やら靴が粉だらけになってしまうようになってしまったので、取りあえずプラスチックのコンテナの蓋を使っていたのだが、これが中途半端に小さくて、役割を果たしているとは言えず、いつかキチンとしたダストボックスを作らなければならないなとかねてから思っていた。

本日、この超イイカゲンな対処法はゴミ箱行きとなり、有り合わせの端板で作った、第二弾 スクロールソー専用ダストボックスが出来上がった。


ダストは(上の写真)中央の穴の下に降り積もるので、この程度の深さと幅があれば充分キャッチできるだろう。


底板はスクロールソーの下に差し込むように、奥行きを長めに取った。

ノブは機械の天板の角度を変えるためのもので、その部分を塞いでしまうことはできないため、その面にはボックスの壁を作れず、こうして底板を差し込む事によって、ダストが機械の下に拡散してしまうのを防ぐという方法しか取れなかったのであるが、それ以外にも、若干内側に飛んでしまうダストがあるため、それもこの差し込んだ底板が少しでもキャッチできればいいなと思っている。

三角の部分にはマグネットを付け、ボックスがしっかり固定されているようにした。(余っていた板のサイズが足りず、テキトウな三角形になってしまったのが、ちょっと残念だが…)
ダストが溜まったら簡単に取り外して捨てることができ、尚かつ、作業中、簡単には外れてしまわないようにしておいた。

側面の板にホースを差し込む穴を空けて、掃除機で吸い込みながら作業すれば尚いいのかも知れないが、掃除機の音がうるさいのと、何時間も掃除機をつけっ放しにしたら電気料がもったいないので(スクロールソーでの作業は、長い時には8時間以上にも及ぶため)、ただ単にダストを集めて捨てるという方法で良しとした。



合板とMDFの端板を使い、グルーとねじ釘でパパッと作ってしまったが、色を塗ったら少しはマシに見えるかも知れない。
また気が向いたら塗ることにしよう。


さぁ、これで、中断していた鍋敷き作りを再開できるようになった。


13.5.16

ドイツ語の確認メール

Amazon.co.uk にsaw file の注文を入れたら、ドイツ語の注文確認メールが届いた。Amazon UKのマーケットプレイスに登録している業者からのものだった。
読めないので、仕方なくGoogle 翻訳にかけ、だいたいの意味はわかったが、Amazon UKで売っているのだから、せめて英語の表記だけでも付けてくれてあると助かるのになと思った。

なぜわざわざAmazon UKに注文しなければならないかというと、国内で質の良いsaw file を見つけられないのと、インターネットオークションでUKから送ってくれる業者の価格は、非常に高く設定されているからなのである。

今回、AmazonでBahco の X-Slim Taper Files 7"10-Pack が  £17.86(NZ$37.85)、XX-Slim Taper Files 6" 10-Pack が  £15.20 (NZ$32.21)だったのだが、国内のインターネットオークションで同じようなものを買おうと思うと、"たった1本で" NZ$17.99〜$20.99 もするのだ。
例え送料無料であっても、1本でその値段は高過ぎだろう。

Amazon UKのマーケットプレイスに出していた業者は、UK内の送料は無料なので、私は迷わず NZ Post が運営しているYou Shop 経由で送ってもらうことにした。軽くて小さなパッケージであれば、基本料金だけで届くはずである。

早く届くといいな〜 と待ちわびる物が saw file のみというのは、何とも色気のない買い物であるが、今週手に入れた H. Disston のパネルソーを早く研ぎ直して使ってみたいのだ。




届いた鋸は、先の方が曲がっていたので、それをハンマーで叩いて直さなくてはならない。


下の写真を見れば、どこで折れ曲がっているかが一目瞭然だが、オークションに出品していた人は故意か偶然か、その部分がちょうど写らない所で切れている写真を載せていた。面倒なのでクレームはしなかったが、ダメージの箇所を知らせずに売るという方法はやはり褒められたものではない。



この鋸は、錆もほとんど無く、切れ味もそんなにひどくはなかったが、私の使っている鋸と比べると切れ味には雲泥の差があった。

2番目の写真に写っている H. Disston のマークは、本来はブレードの中央に刻印されているものなのだが、私の買った物は刃に非常に近い所に付いていた。それは、この鋸が何度も目立てをし直して使われていたものだということを表している。
それはまた、これがとても良い鋸であるということをよく表しているということに他ならないのだと私は思った。




ハンマーで叩いて叩いて、ようやくここまでになったが、まだストレートにはなっていない。
また根気よく叩き続けなければならない。


12.5.16

Edward Preston & Sons Spokeshave

Stanley の Spokeshave を3つも持っているのにも関わらず、"ファンシー"な外見に惹かれてついつい買ってしまった、Edward Preston & Sons のヴィンテージ物。


予想していたよりも大振りだったが、刃がボロボロだったのを除けば非常に良いコンディションで、刃を研ぎ直して使うのが楽しみだった。



中古の道具なので、刃こぼれは承知の上で購入しているが、刃を研ぐための電動グラインダーを持っていないため、いつものようにダイヤモンド ストーンで削り続けるのにかなり時間がかかった。

スタンレーの底が平らなもの2つ(写真には写っていないが、もう一つ底がカーブしているものも持っている)と、今回購入した E. Preston & Sons のサイズを比べて見ると、全長はほぼ同じ。



ハンドルの形が手にしっくり来るのだろうかと心配していたが、私の手にはこの E. Preston がこの中で最もフィットしていて、非常に使い易く感じた。

デザイン、機能性共に秀でていて、刃のセット及び調節も簡単。更にはブレードがスタンレーよりも厚く、ラミネートされたものだったことは予想外であった。



しかし、一見良いことづくしのように思えるが、他のものに比べてブレードの寿命は短かそうだ。

スタンレーのブレードと比べてみると、中央に空いた穴が長いために、刃を付けられる部分がもうそんなに沢山は残っていないことがよくわかる。
おそらく、替えのブレードなど手に入れるのは困難だろう。頻繁に刃を研ぎ直していたらもう何年ももたないに違いない。



このブレードを使えなくなったら、この工具はただの飾り物になってしまう。
この先ずっと使い続けられないことを、何だかひどく残念に思った。


11.5.16

念願のスプレーガン落札


塗った varnish がなかなか乾かないので、多分今週中は、玄関にみすぼらしい張り紙がくっついたままだ。

速乾性の varnish って無いのかな? 作業が一向に進まないので楽しくない。しかも、今回使った varnish は 6回ほど重ね塗りをしないと耐水の効果が期待できないというので、せめて3回は塗っておきたいなと思ったのだが(雨がかかる所ではないので)、こんなに乾くのが遅くては、一日に1回しか塗れそうにない… 
あ〜、面倒だ。

varnish を塗る際、刷毛で塗るのではなくスプレーガンを使いたいとかねてから思っていたが、「一々エア コンプレッサーにつなげなくてはならないものは面倒だから、エレクトリックのスプレーガンにした方がいいよ」という同居人Tの助言に従い、たまに思い出して、安くオークションに出ていないかと探してみたりしていたのだが、良さそうなものはいつも値段が釣り上がってしまって落札できずにいた。

が、運というのはいつかは回ってくるものである。
先ほど何の期待もしないでオークションで検索したら、非常に状態が良いと書いてあるもので、しかも手頃なBuy Now 価格+激安の送料で出品されている物があった。もちろん、即 Buy Nowで落札。
同じ市内だが、送料が信じられないほど安かったので送ってもらうことにし、2,3日で届くことを期待して、届くまでこのパネルは放置しておくことにした。


今日は薄暗い一日で、午後になって小雨が降って来たため、varnish が更に乾き難くなってガッカリだったが、一方で、庭に水やりをしなくて済んだのは助かった。


同居人が種を植えたコリアンダーの芽が沢山出て来ていた。コリアンダーはメキシカン料理にもノースアフリカン料理にも、はたまたタイ料理にも使えて重宝なので、我家では育つとすぐに無くなってしまう。


これもまた、同居人が先週末苗を買って来て植えたもので、Broad Bean(ソラマメ)。
威勢よく、すくすくと育っているので、収穫が楽しみだ。


私が買って来た Holy Basil は成長が思ったほど早くなく、葉はそんなに大振りではないが、そろそろ食べてみようかなと思う。

余談だが、同居人Hが、「このウサギ、用を足しているみたい」とケラケラ笑っていた。



PLEASE RING THE BELL

家に居たのに宅配業者が不在表を置いて行くというのは、一体どうしたことか…

私はほとんど毎日裏庭に面したアトリエで仕事をしているため、家の玄関に取り付けたドアベルが鳴ったらわかるよう、コンセントに差し込んで使うチャイムをその都度移動させているのだが、宅配業者の中にはおそらく玄関のドアをノックするだけで、ドアベルを押さない人がいるのだろう、最近立て続けに『家に居たのに不在表を置いて行かれる』という、全くもって嬉しくない(苛つく/ムカつく)経験をし、こんなことが続かないようにと、急きょ玄関に掛けるサインを作ることにした。


玄関のスペースに合うようサイズを測り、書体を選び、楕円形にしようか四角にしようか、また、幾つか装飾も考え、あっちに向けてみたり、こっちに向けてみたり… 

色々とデザインしてみたのだが、最後には面倒になり、もうこれでいいやと、薔薇の花を一輪加えて、さっさとスクロールソーで切り出した。

このボードの周囲を鉋でベベルに削り、裏に濃い色の薄い板を貼付けて仕上げようと思っている。

これができるまでの間にまた不在表を置いて行かれては困るので、取りあえず張り紙をしてあるのだが、張り紙というのは何ともみすぼらしい感じがするものだと、この歳になるまで考えても見なかったなと思った。



9.5.16

Marples 38mm Chisel


先週国内のインターネット オークションで落札したのは、Marples の鑿セット。
6mm、13mm、14mm、38mm という、"中古ならでは" のセットだ。

欲しかったのは一番幅広のサイズの鑿。
このサイズの鑿が出品されることはそんなに多くはなく、おそらくこれ1本でもけっこうな金額になるだろうと思うのだが、私がよく取引している出品者は、非常に良心的なBuy Now 価格(4本でNZ$42、¥3,000強)を付けてくれていた。

私は Marples の Blue chip Chisel のセットを以前にもオークションで落札しているのだが、今回落札したものとは、ロゴが若干違っている。


囲みが四角っぽく、文字がゴシック体のものは、今回購入した楕円形のロゴのついたものよりも古いものだと、何処かのウェブサイトで読んだことがある。
ハンドルが楕円形のロゴのものに比べて若干ズングリしているように感じるが、気のせいだろうか… 持った感触はほとんど変わりないように思う。

今回購入したものは、下の写真のロゴが付いていた。


私はこの Marples の鑿がけっこう好きで、鑿を使う時には真っ先に手が伸びるのがこれらなのだが、研ぐのが比較的楽で、切れ味が落ちるのも早いため、しょっちゅう研ぎ直しているような気がする。
しかし、無名の鑿の刃に比べたら比較にならないほど良質で、使った感触が柔らかな感じと言おうか、しなやかな感じと言おうか、とにかく気持ちよく使えるのだ。


今日はペインティングの合間に新しく加わった鑿を研ぎ直し、次に作るもののデザインを考え、製図をして一日が終わった。


さて、もう夕食の支度をする時間だ…


7.5.16

合板にフレンチポリッシュ仕上げ :)


シェラックを何度も重ね塗りし、#0000のスチールウールで磨いた後、ビーズワックスで仕上げた、素材を生かした Thanks 。
上の写真ではどれくらいツルツル、スベスベなのかわかり辛いが、実際は下の写真のようにツルッツルになっている。


板厚が1.8cm あるため、しっかりと立てられる。


この合板は珍しく穴空きが無く、余計な手間がかからずに済んでラッキーだった。


「世界には "たかが合板" に時間をかけてフレンチポリッシュを施す人もいるんだね」と笑う人がいるに違いない。


4.5.16

同じ物を作るのは芸が無いよな...


シェラックを2度塗りした後、#240のサンドペーパーで表面を軽く磨くと、真っ白なパウダーをうっすらと振りかけたようになる。


表も裏も、切り口も同じように磨き、掃除機でダストを吸い取った後、3度目、4度目のコートをし、乾かしている。

シェラックを重ね塗りする合間に、スクロールソーでもう一つ同じ形を切り抜き、表面を磨き、こちらは黒くペイントをした。


これはいつもおすそ分けをしてくれるお寿司屋さんへのプレゼント。
真っ黒な下地が乾いたら、ちょっと冒険して、上に何かをペイントする予定でいる。


3.5.16

from the bottom of my heart


2年前、ある人が言った。
「これから(自分の仕事用のfacebook pageに)あなたへのメッセージを投稿するようにするよ」と。

彼は疎遠になった今でも、時折、おそらく私に宛てて書いているのだろうと思える投稿をしてくれている。
私の内面をいつでも気遣い、励まし、引き上げようとしてくれているのが痛いほどよくわかる投稿を読む度、私は胸が熱くなり、そして悲しくなる。


今朝ふと、私もメッセージを送りたくなった。(投稿しても、見てくれるという保障などどこにもないが)


これは合板の板目を生かして、何層にもなった心からの Thanks を表すよう、クリアー シェラックで仕上げることにした。


明日、2度目のコートがすっかり乾いたら、またサンディングし、シェラックを重ね塗りする。



1.5.16

ガーデニングの日


同居人Hは、 DIY ショップ から$3.00で買って来た長〜いプランターを庭に据え付け、同居人Tに園芸用の土を沢山買って来てもらい、パセリとコリアンダーの種を蒔いた。


私は傍で、以前切った庭木の枝を、園芸用の鋏やら鋸やら斧を使って捨てられるサイズにし、ひたすら掃除し続けていた。

もう5月か… 

オークションに出品していた Lucet は全て売れてしまい、先日作った物はまだ塗ったオイルを乾かしている状態で出品できずにいる。

明日も、簡単にできて安価で出品できる小物作りかな…




「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...